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「人を大切にする経営学講義」

私の考え方の基礎となっている書籍に坂本光司先生の「人を大切にする経営学講義」があります。

これから何度に分けて取り上げてみたいと思います。

まず、「利益」について。

 利益は目的ではなく、経営目的を実現するための手段、もしくは目的を実現した挙げ句の結果である。ただ、手段や結果とはいえ、利益は重要である。利益を出さずに赤字になったてしまったら、社員への賞与も出せず、ましてや納税義務も果たすことができなくなる。もっと重大な問題は、赤字が長期化すれば、社員のリストラはもとより、倒産の危険性すらある。
一方、利益に過度に固執すると、売上高の増大や費用の過度な削減に走り、社員や仕入先を心身ともに苦しめることになる。

利益はあくまで目的達成のための手段であり、結果であると言っています。
利益をあげることが、一番の目的になっている企業ってありませんか?
その場合、過度に売上向上を目指したり、過度に経費削減を目指します。
坂本先生は、「ほどほど」が良いと言っています。

「ほどほど」を具体的に言うと、営業利益率5%程度です。
多くても10%までと記されています。

仕入れなど取引先に適正な額を支払い、従業員にも適正な給与を支払い、研究開発や教育研修など将来のための費用(未来費用)を予算化し、適正利益率を目指します。
教育研修費を少なくして、利益率10%超というのは、問題だと考えます。
因みに、教育研修費は金額で言えばひとり当たり10万円、時間にすると労働時間の5%という数字になります。

坂本先生は、取引先や社外の関係者のことを「社外社員」と表現します。
自社の社員と同様に大切にする相手という意味があると思います。
個人的にはこの表現をとても気に入っています。

よく聞く言葉に「業者!」という如何にも上から下に見た表現があります。
企業経営には社外の様々な人が関わり、協力してもらっています。
そこに上下関係はないはずですが、仕事を発注している側(お金を払っている)が偉い、という勘違いが生まれています。
その思い、考えを表向き隠していても、思わず出てしまう場面に遭遇することがあります。
「つい本音がでる」という事態です。
取引先、関係先を「社外社員」と捉えれば、そのような事態を少しでも回避できると思います。

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