ダイヤモンド社から出版されている「ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所」を読みました。
著者は、この鉄工所(HILLTOP株式会社)の副社長である山本昌作さん。
「ルーディン作業はやらない」
「楽しくなければ仕事じゃない」
「仕事の楽しさは知的作業にある」
「費用対効果という概念は嫌い」
「追いかけているのは”人の成長”」
「絶対に社員を監視しない、尻を叩かない」
「人間には知的好奇心と向上心がある」
「上げるのは生産性ではなくモチベーション」
「会社は異質な人が集まる場所」
「社員の成長なくして会社の成長はない」
といった表現があります。
どれも共感するものばかりですが、次のようなことも書かれています。
「売上が上がるほど社員は疲弊してきた。」
それを見て、”目標を下方修正する、売上が落ちてもいいから残業時間を減らす”といった対策を打ったそうです。
経営者にとって、「売上が上がること」は何よりも望むこのでしょう。
それが、社員の残業時間の増加や休日出勤の増加があったとしても・・・。
経営者にとって、「お金」が回っている状態ほど嬉しい(気持ちが穏やか)ものはありません。
だから、売上を上げることの固執します。
小売り業でよく見かけるのが、営業時間を長くすることで売上を上げようとするものです。
夜中の2時くらいまでやっている飲食店、24時間営業のCVS・・・。
そこには、「従業員が疲弊すること」は考えていません。
考えたとしても、その分の報酬を与えれば満足するだろう、という発想。
ある企業に訪問したときの話です。
臨時の大型受注があり売上げがアップしたと社長が喜んで話をしていました。
残業、休日出勤もあったようで、臨時賞与(一時金)としてその分も還元したようです。
しかし、傍らにいた従業員はそれをあまり喜んでいる風には見えませんでした。
社長は嬉しそうだったのでそのギャップが気になりました。
もしかしたら、過度の繁忙により疲弊していたのかも知れません。
このような経営者と従業員の間には意識のギャップが少なからずあります。
それを埋めるようなコミュニケーションが無いと、モチベーション低下、離職に繋がっていく恐れがあります。
HILLTIP株式会社ではそのような事は無さそうです。
私の推奨しています「人を大切にする経営」を実践する上で、参考になる書籍でした。
よろしければご一読を。
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